タイガースはドラフト1位で、慶大の伊藤外野手の交渉権を獲得した。
「高橋由伸2世」とは、彼を形容する最上級の言葉。
最近では「桧山2世」と、微妙な形容詞も飛び出した。
「ポスト金本」とも呼ばれているが、どう成長を遂げるのだろうか。
試 打 安 率 本 点 盗 振
08春 *4 *2 *0 .000 *0 *0 *0 *1
08秋 *6 *6 *0 .000 *0 *0 *0 *3
09春 *9 29 10 .345 *0 *3 *0 *5
09秋 12 43 14 .326 *1 *2 *5 *6
10春 13 49 14 .286 *2 12 *1 *6
10秋 14 54 17 .315 *3 11 *1 13
11春 13 42 17 .405 *4 17 *0 *8
11秋 13 42 11 .262 *0 *1 *1 11
大学時代の伊藤選手の成績だ。通算本塁打は10本。
単に本塁打だけを選手の杓子定規とはしたくはないが、六大学の通算本塁打を見るとどうだろう。
| 通算最多本塁打 | ||
| 23本 | 高橋 由伸(慶大) | 平6~9 |
| (通算本塁打12本以上) | ||
| 22本 | 田淵 幸一(法大) | 昭40~43 |
| 20本 | 岡田 彰布(早大) | 昭51~54 |
| 19本 | 荒川 尭(早大) | 昭41~44 |
| 山口 高誉(立大) | 昭62~平2 | |
| 18本 | 谷沢 健一(早大) | 昭41~44 |
| 広沢 克己(明大) | 昭56~59 | |
| 17本 | 矢作 公一(立大) | 昭60~63 |
| 大森 剛(慶大) | 昭61~平1 | |
| 矢口 健一(早大) | 平6~9 | |
| 16本 | 小早川毅彦(法大) | 昭55~58 |
| 15本 | 石井 浩郎(早大) | 昭58~61 |
| 黒須陽一郎(立大) | 昭61~平1 | |
| 14本 | 佐藤 清(早大) | 昭49~52 |
| 13本 | 高木 大成(慶大) | 平4~7 |
| 中村 豊(明大) | 平4~7 | |
| 12本 | 村山 修一(立大) | 昭46~49 |
| 上田 和明(慶大) | 昭56~59 | |
| 多幡 雄一(立大) | 平13~16 | |
| 武内 晋一(早大) | 平14~17 | |
伊藤はベスト20位にも入らない。打率などをみても、高橋、岡田級には程遠い感もある。
本人いわく、中距離ヒッターとのことで、大砲、ポスト金本という言葉は、当てはまらないのではなかろうか。また、シーズンを通じて見たわけではないのだが、右中間を破る強烈な打球は印象深いが、左方向への打球は、あまり目にしない。俊足強肩とは言われてはいるものの、盗塁数は決して多いわけではない。
数字の理論をあてはめてみたが、もちろん例外も多い。ヤクルトに4位指名された青木は大学の後半に成長し、今は球界を代表する安打製造機となった。一時期は鳴り物入りで入団した鳥谷を本塁打数でも上回ったこともあった。
伊藤は、2年春から順調に成長し、4年春までは上り調子だった。だがこの秋、プロ入りへのプレッシャーなどもあったのだろう、数字的には下降線をたどり、チームまでもが低迷した。
だが、注目すべきは、2年生から試合に出続けた体力だろう。大きなけがもなく、試合に出続けることができる体。これが最大の売りではなかろうか。
選手の将来像を思い描くとどうだろう。肉体改造により、鋼の筋肉をまとい、金本のようにホームランバッターに変身したケースもある。鳥谷のように、しばし低迷した後、一定以上の成績を残せるようになったケースも多い。
統一球をいつまで使うかにもよるのだろうが、ロッテに入団した運動神経の塊のような、いわば天才肌の伊志嶺のような成長も思い描きにくい。
配球を学びながら、狙い球を打つことができれば、多くの人が思い描くような3番打者としてどうだろうか。
あえて数字で表すのなら、打率320、本塁打10.守備はライトかレフト。
肉体的にも強そうなので、打撃面ではポスト金本というよりは、むしろポスト鳥谷を期待したい。
2~3年のうちに戦力となることができれば、体の強さもあって10年は活躍が期待できる。そのためにはぜひとも、1年目から使ってみたいものだ。
1年目から使われるにはどうしたらいいのか。
現在、去就が不透明な部分はあるが、レギュラーはレフト金本、センター柴田、ライト・マートン。
伊藤をのぞく来シーズンの争いの構図はおそらく
レフト 金本(浅井、林)
センター 柴田、藤川(田上)
ライト マートン(田上)
といった具合になるだろう。
伊藤はどこで勝負すれば、勝負させればいいのか。
俊足系として飛躍してもらうためにも、センターは打撃センスの高い柴田の飛躍を待ちたい。
そうなれば、レフトかライト。マートン退団になれば、すんなりライトを競わせたいところだが、やはりレフトで金本と勝負してほしい。ここで勝てれば、マートンをレフトに回し、ライトで出せる。
本人の競争意識を高め、理想の成長曲線に近づけながら、チーム力の維持・向上につなげることができるではなかろうか。
伊藤は、高い資質を持ち合わせていることは間違いないだろう。あとはどう精神的な刺激を与え、成長させるか。。。。
首脳陣の手腕にかかっている。
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