2011年12月3日土曜日

球児のメッセージ

以下はスポーツ紙の抜粋。

 阪神の藤川球児投手(31)が26日、MBSの情報番組「せやねん」に生出演し、来季中の取得が濃厚な海外FA権について率直な思いを吐露した。これまでポスティングシステムを利用してのメジャー移籍を希望していただけに「(FAは)僕の主張でOKになる。選択肢が増えるのはうれしい」と初めて言及。続けて「優勝して行かないとカッコ悪い」①と言い切った。

 (中略)
 
 今季取得した国内FA権の権利は行使せず、球団が提示した複数年契約を断って単年契約での残留を決めた。番組内で共演者からメジャーを意識してか?との鋭い質問が飛ぶと「それもありますし、複数年になってケガして同じお金をもらうのはイヤ。僕は阪神の生え抜きなので、複数年でケガしてダメだったら辞めるべきだと思う②阪神にお世話になっていますから③」と持論を展開した。
 生え抜きの主力選手が少なくなった今、独自の美学を口にした藤川。今年で31歳を迎え、残された野球人生とも真剣に向き合っている。「まず阪神に迷惑をかけたくない。それだったら他のとこに行って、自分で選択して。ペットじゃないけど、死に場所を自分で選びたいというのもある④」。愛着ある球団だからこそ、力がなくなってまで迷惑をかけたくないとの思いは偽らざる本音だ。
(以下、省略)
 


 いまどきの選手には珍しく、本当に男気のある言葉だと思う。タイガースのファンで良かったと心底思えるし、大きな夢を後押ししたいとも思う。



 以前からメジャー志向が取りざたされていた球児。タイガースの絶対的守護神として君臨する割には国際舞台にはめっぽう弱く、北京五輪で打ち込まれ、WBCでは抑え失格の烙印を押された上、大事な試合でダルビッシュにその座を譲った。
 正直なところ「メジャーでは通用しない」と思っていた。ずっとタイガースにいてほしかったし。。

 この球児のコメントには大きな意図を感じるし、あらためて「チームはバラバラなんだな」っても思う。ただ、球児の言っていることは究極の正論であるし、誰も反論の余地はないと思う。
 多少うがった見方かもしれないが、球児の真意を探ってみる。

 ①野茂、イチローが高めた日本野球の地位を、最近のメジャー戦士たちは落としていると思う。多くの野球人の著書にも描写され、特に野村克也氏は講演でも強調しているが、「夢だか金だか」分からない選手が多い。去年、楽天の岩隅があまりの年俸の安さにメジャーを断ったのが格好の例だろう。日本で多少の実績があれば、契約当初から日本にいる当時の何倍もの年俸を手にするし、1年でも成功すれば、多額の年俸を得ることができる。確かに引退後の生活が保障されていないプロ野球選手にとって「稼げるうちに稼ぐ」という考えも分からなくはない。
 こうした中、大半は夢を強調して渡米するが、球児は夢(本当かどうか分からない。不安もあるかもしれない)の前に、タイガースに対する恩義を強調している。金のためだけに行っているような、実力不足の選手に対する強烈なメッセージだと思う。
 プロ野球の将来を考えても、安易なメジャー志向はいかがなものかと思う。球児もきっと、色々考えて発言したのだろう。

 ②これはチーム内に向けられていると思う。金本、新井、城島、小林宏に対する強烈なメッセージ。ややもすれば、チームが空中分解しかねない発言ではあるが、これを言われて頑張らないメンバーではないと思う。4人に対する叱咤激励の意味もあると思う。
 それにやはり、金本が去年、おととしと、あの状態で試合に出続けることを容認する球団の姿勢にも疑問を投げかけていると思う。素人のファンが見ても明らかにおかしい起用だったし、チームにとってプラスの発言となることを期待したい。

 ③これは人間として忘れてはいけない姿勢だと思う。星野監督退任時に戦力外通告の候補に入っていて、岡田監督就任でそれをストップしたという経験をしている球児だからこそ言えるのかもしれない。
 一定以上の実力が付けば、球団をついつい下に見がちになる。「自分がいないと勝てない」といった自負から、選手によっては「年俸の上積み工作を図ろう」などと考える人もいるだろう。これだけの実績を積みながら「お世話になっている」とはなかなか言えない。だが、人として当然だし、こうした思いは必ず後輩たちが見ている。仮に「将来は監督やコーチになりたい」という思惑が働いてのコメントだったとしても、こうした姿勢を多くの人は見習うべきである。

 ④ファンを思い、球団を思っていないとここまでは本当に言えない。優勝の見込みのない横浜や活躍しても年俸の上がらない広島にいれば、他球団に出たくなるのかもしれない。うがりすぎかもしれないが、金本の「広島愛」発言などを耳にすると、「阪神退団後、引退後は監督やコーチになりたい」としか聞こえない。新井も今回のFAに際し、「メジャーで元広島の黒田」との密談がささやかれ、広島復帰をちらつかせた。こうした考えが少しでもあって、チーム全体が感じるものがあれば、いくら戦力が整っていても優勝はできない。こうしたことに対しての戒めの発言にもなったのではないだろうか。


 終始、球児を持ち上げすぎた感があるが、真意は嘘でも、人間として持っておくべき「心」が球児の発言に凝縮されている。
 ファンはとにかく、優勝が見たい。
 この発言が、チームにとってプラスに働くことを切に願っている。


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